大学院を目指す皆さんへ
ファンデルワールス接合の物性と素子応用の研究を進めています。グラフェンをはじめとした二次元結晶は単原子層という究極に薄い物質です。その原子層膜をファンデルワールス力で積層したファンデルワールス接合では、組み込む二次元結晶の種類(ディラック電子系・半導体・絶縁体・強磁性体・超伝導体・トポロジカル絶縁体など)が豊富であるとともに、原子層を積層する際のツイスト角度という制御自由度が加わり、組み合わせが無限です。「グラフェンとグラフェンの積層@magic angle 1.1°→超伝導発現」からもわかる通り、原子層の組み合わせによって驚くような物性が生じ得ます。原子層を「積む」「捻る」「曲げる」「切る」「動かす」ことで新たな現象と物性の発現を目指して研究を推進します。研究室は駒場リサーチキャンパスにあり、恵まれた環境の中で充実した研究活動を進めています。
♦研究指導の方針
研究室に配属されて最初は、基本的にグループで設定したテーマで研究をスタートし、原子層の劈開、素子作製、電気伝導測定、データ解析、学会発表等を経験して、この分野での研究の流れ・ポイントをつかんでもらっています。とにかく手を動かしてどんどん実験していく方針です。博士号を保有したスタッフ が4名、博士課程の先輩が3名、きめ細かい指導とサポートが可能です。国内・国外の学会発表には力を入れており、早い時期から研究発表を通じて研究の世界で戦っていく楽しさを経験してもらいます。工学系研究科長賞や国内外の学会賞など、先輩達も大きく成長・活躍しています。
♦求める人材
現時点での分野・知識・学力は重要ではありません。一緒に新たな研究に挑戦し、この分野で活躍しようというやる気・プロ意識のある人を求めます。卒業論文と修士論文で研究室を移るのはごく一般的なことであり全く問題ありません。[2014年度までは研究室自体が物理工学専攻に属していましたが、50%以上の学生が卒業研究→修士研究で研究室を移籍するシステムでした。] ファンデルワールスヘテロ構造の作製技術など、既に確 立したトップレベルの技術をさらに発展し、世界的に注目度の高いこの研究分野で一旗揚げようという熱意のある人を歓迎します。グラフェン・二次元結晶の研究分野は、物理・化学・電気・電子・生物・機械工学・ナノエレクトロニクスなど、様々な分野の研究者が参入している新しいフィールドであり、幅広い知識と経験はむしろ長所になります。
♦大学院入試
本研究室は東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻に属します。大学院生としての進学を希望する場合、 マテリアル工学専攻の入試を受験する必要があります。 詳細はマテリアル工学専攻ホームページを 参照して下さい。進学にあたっての研究室の見学や質問を歓迎します。